COGNITIVE SCREENING — JAPANESE VERSION
MMSE (Mini-Mental State Examination) — 日本版✓ 監修済み
世界で最も広く用いられる認知機能スクリーニングの日本版。11項目、合計0–30点。場所見当識は「地方」、注意/計算はシリアル7のみを使用。
0合計 / 30 点
重度認知症
0 / 11 項目入力済み
見当識
時間の見当識
尋ね方: 「今年は何年ですか?」「今の季節は?」「今月は何月?」「今日は何日?」「今日は何曜日?」 — 年・季節・月・日・曜日 各1点。西暦・和暦どちらも可。
場所の見当識
尋ね方 (日本版): 「ここは何地方ですか?(関東/関西/東北 など)」「ここは何県(府/都/道)?」「何市町村?」「この建物の名前は?」「ここは何階?」 — 各1点。原版の「国」は日本版MMSEでは「地方」に置き換えるのが標準。
記銘・注意・記憶
即時再生 (3単語の登録)
尋ね方: 「これから言う3つの言葉を覚えてください。あとでまた聞きますので」と前置きし、「桜・猫・電車」(または「梅・犬・自動車」) と提示。すぐに復唱させ正答数を採点 (最初の試行のみ。順不同可)。
注意と計算 (シリアル7、5段)
尋ね方: 「100から7を引くといくつですか?」→「そこからまた7を引くと?」を計5回 (93/86/79/72/65)。各正答1点、計5点。日本版MMSEではシリアル7のみを用い、原版のWORLD逆唱は採用しない。
遅延再生 (3単語の想起)
尋ね方: 「先ほど覚えてもらった3つの言葉をもう一度言ってください」。自発で言えた数を採点 (各1点・ヒントなし)。HDS-Rの遅延再生と異なりカテゴリヒントは出さない。
言語・行為
呼称 (時計・鉛筆)
尋ね方: 腕時計を見せて「これは何ですか?」(時計=1点)、鉛筆を見せて「これは何ですか?」(鉛筆=1点)。
復唱
尋ね方: 「これから言う文を私の後について繰り返してください — 『みんなで力を合わせて綱を引きます』」 1回のみ。一語一句正確に復唱できた場合のみ1点。
3段階命令
尋ね方: 紙を渡しながら「この紙を右手で取って、半分に折り、床に置いてください」と一度に指示 (途中で指示を繰り返さない)。各動作 1点 (計3点)。
読字命令
尋ね方: 紙に大きく書いた「目を閉じてください」を見せ、「これを読んで、書いてある通りにしてください」。実際に目を閉じれば1点 (声に出して読むだけでは不可)。
書字
尋ね方: 「何でもよいので、一つ文章を書いてください」。主語と動詞を含み意味の通る一文が書ければ1点 (字の上手さや文法的細部は不問)。
図形模写
尋ね方: 五角形が2つ部分的に重なった図を見せ「これと同じ図を書いてください」。各五角形が5角を保ち、2図形の重なり部分が四角形を成していれば1点 (大きさ・角度は不問)。
重症度の目安
28–30 点正常範囲
24–27 点軽度認知障害(MCI)の疑い
20–23 点軽度認知症
10–19 点中等度認知症
0–9 点重度認知症
補足
- カットオフ値は教育年数・年齢により補正が必要。
- 記銘 (即時再生) は正答できるまで反復するが、得点は最初の試行のみで決定する。
- MMSEはAlzheimer型認知症の進行評価には適するが、前頭側頭型・血管性ではスクリーニングとして感度が低い。
- 日本版では場所見当識の「国」を「地方 (関東・関西など)」に置換し、注意/計算はシリアル7のみを用いる (WORLD逆唱は採用しない)。
参考文献
- 1.Folstein MF, et al. "Mini-mental state". A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. J Psychiatr Res. 1975;12(3):189-198.
- 2.森悦朗ほか. 神経疾患患者における日本語版Mini-Mental State Examinationの有用性. 神経心理学. 1985;1:82-90.
- 3.杉下守弘. 精神状態短時間検査—改訂日本版 (MMSE-J). 日本文化科学社, 2010.