頭痛
持続性片側頭痛(hemicrania continua)✓ 監修済み
発症様式: 中年発症が多く、女性にやや多い。片側の持続する頭痛として潜行性に始まり、3 ヶ月以上続く。日〜週の単位で増悪と軽減を繰り返し、増悪時に自律神経症状を伴う。寛解期を挟む寛解型と、寛解なく持続する非寛解型がある。
概要
厳密に片側性で、3 ヶ月以上持続する持続性の頭痛。中等度の背景痛に、重度の増悪発作が重なるのが特徴で、増悪時には頭痛と同側の自律神経症状(結膜充血・流涙・鼻閉/鼻漏・眼瞼下垂/縮瞳など)や落ち着きのなさ(restlessness)を伴う。三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)に分類される。最大の特徴は インドメタシン の治療用量への「絶対的反応」で、これが診断基準の一つでもある(インドメタシン試験)。慢性片頭痛・群発頭痛と紛らわしいが、厳密な片側性・持続性・インドメタシン反応で区別する。まれに腫瘍・血管病変などによる二次性もあり、非典型例は MRI で除外する。
代表症候
厳密に片側性・3 ヶ月以上持続する背景痛+増悪発作増悪時に同側の自律神経症状(結膜充血・流涙・鼻閉/鼻漏・眼瞼下垂/縮瞳)や落ち着きのなさインドメタシンの治療用量に絶対的に反応する(診断の決め手)三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)の一つ寛解型と非寛解型(持続型)がある慢性片頭痛・群発頭痛との鑑別、二次性の除外(MRI)が必要
サブタイプ
寛解型(remitting)
無症状の寛解期を挟む
- -頭痛が数週〜数ヶ月続いた後、無症状の寛解期を挟む
- -再燃を繰り返す
- -インドメタシン反応性は共通
非寛解型(unremitting、持続型)
寛解なく持続する
- -発症から寛解期なく持続する(1 年以上)
- -当初は寛解型で経過し非寛解型へ移行することもある
- -インドメタシン反応性は共通
Clinical Pearls
- 💡「ずっと片側が痛く、時々ひどくなる」+インドメタシンで消える頭痛は hemicrania continua
- 💡インドメタシン試験は診断と治療を兼ねる — 禁忌がなければ試す
- 💡厳密な片側性・持続性が慢性片頭痛・群発頭痛との区別の軸
- 💡インドメタシンで治らなければ診断を見直し、二次性を MRI で除外する
- 💡長期 NSAID は消化管・腎に配慮(PPI・モニタリング)
- 💡発作性片側頭痛の慢性型と混同しない — hemicrania continua は背景に持続痛があり途切れないのが違い。発作性片側頭痛は 2〜30 分の発作の合間が無痛(ともに厳密な片側性・インドメタシン絶対反応)
- 💡発作の長さで TAC を見分ける — 持続性片側頭痛は持続、発作性片側頭痛は分(2〜30 分)、SUNCT/SUNA は秒(1〜600 秒)、群発頭痛は 15 分〜3 時間。インドメタシン絶対反応は発作性/持続性片側頭痛のみ(SUNCT/SUNA・群発は無効)
症候学
持続する片側性の背景痛と増悪
厳密に片側の中等度の持続痛に、重度の増悪発作(数十分〜数日)が重なる。側頭部・眼窩部・前頭部に多い
臨床的意義: 「持続する片側痛+増悪」という形が中核。持続性が群発頭痛(発作性)との違い
増悪時の自律神経症状・落ち着きのなさ
増悪時に頭痛と同側の結膜充血・流涙・鼻閉/鼻漏・眼瞼浮腫・発汗・眼瞼下垂/縮瞳、あるいは落ち着きのなさ・体動での増悪
臨床的意義: TAC の特徴。群発頭痛より自律神経症状は軽いことが多いが、restlessness を伴う
インドメタシンへの反応
インドメタシンの治療用量で完全に消失する
臨床的意義: 診断基準の一つ(絶対的反応)。反応しなければ診断を見直す
ピットフォール
- ⚠インドメタシン試験をしない — 禁忌がなければ一度は治療用量で試す。反応すれば診断確定
- ⚠慢性片頭痛と誤診する — 厳密な片側性・持続性・インドメタシン絶対反応で区別する
- ⚠群発頭痛と混同する — 群発は発作性(15 分〜3 時間)、hemicrania continua は持続性の背景痛+増悪
- ⚠二次性を除外しない — インドメタシン反応性でもまれに二次性。非典型例は MRI
- ⚠NSAID 長期投与のリスクを軽視する — 消化管潰瘍・腎障害に PPI・モニタリング
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出典: ICHD-3(国際頭痛分類 第3版)3.4 持続性片側頭痛. / 頭痛の診療ガイドライン 2021(日本頭痛学会). / Prakash S, Patel P. Hemicrania continua: clinical review. J Pain Res 2017;10:1493-1509.