頭痛
発作性片側頭痛(paroxysmal hemicrania)✓ 監修済み
発症様式: 成人発症。片側の重度発作を 1 日に何度も繰り返す。群発頭痛より短く頻回。反復発作期と寛解期を繰り返す episodic 型と、寛解のない chronic 型がある。
概要
群発頭痛に似た重度の片側性頭痛発作を、より短時間(2〜30 分)・より高頻度(1 日 5 回超)に繰り返す三叉神経・自律神経性頭痛(TAC)。発作時に頭痛と同側の自律神経症状(結膜充血・流涙・鼻閉/鼻漏・眼瞼下垂/縮瞳など)を伴う。最大の特徴はインドメタシンの治療用量への「絶対的反応」で、持続性片側頭痛(hemicrania continua)と同じくインドメタシン反応性頭痛に属する。反復発作型(episodic)と慢性型(chronic)がある。まれに二次性(下垂体病変等)があり、非典型例は MRI で除外する。
代表症候
重度の片側性頭痛発作(眼窩・眼窩上・側頭部)短時間(2〜30 分)・高頻度(1 日 5 回超)発作時に頭痛と同側の自律神経症状インドメタシンの治療用量に絶対的に反応する(診断の決め手)反復発作型と慢性型がある
サブタイプ
反復発作型(episodic)
発作期と寛解期を繰り返す
- -発作期が 7 日〜1 年続き、1 ヶ月以上の寛解期を挟む
- -インドメタシン反応は共通
慢性型(chronic)
寛解なく持続
- -1 年以上、寛解期なく(または 1 ヶ月未満の寛解で)持続
- -インドメタシン反応は共通
Clinical Pearls
- 💡「群発より短くて回数が多い」片側発作+インドメタシンで消える → 発作性片側頭痛
- 💡インドメタシン試験が診断と治療を兼ねる
- 💡効かなければ二次性を MRI で除外する
- 💡慢性型(chronic)と持続性片側頭痛(hemicrania continua)を混同しない — 慢性型は発作の合間が無痛、hemicrania continua は背景に持続痛がある。「chronic」は寛解期なく続く意味で、痛みが持続しているわけではない
- 💡発作の長さで TAC を見分ける — 発作性片側頭痛は分(2〜30 分)、SUNCT/SUNA は秒(1〜600 秒)、群発頭痛は 15 分〜3 時間、持続性片側頭痛は持続。発作性/持続性片側頭痛はインドメタシン絶対反応、SUNCT/SUNA・群発は無効
症候学
短時間・高頻度の片側発作
眼窩・眼窩上・側頭部の重度の片側痛。2〜30 分、1 日 5 回超
臨床的意義: 群発頭痛(15 分〜3 時間)より短く頻回なのが特徴
同側の自律神経症状
結膜充血・流涙・鼻閉/鼻漏・眼瞼浮腫・発汗・眼瞼下垂/縮瞳
臨床的意義: TAC の特徴。頭痛と同側に出現する
インドメタシンへの反応
治療用量のインドメタシンで完全に消失する
臨床的意義: 診断基準の一つ(絶対的反応)。反応しなければ診断を見直す
ピットフォール
- ⚠群発頭痛と誤診する — 発作性片側頭痛は短く頻回でインドメタシンに絶対反応する
- ⚠インドメタシン試験をしない — 禁忌がなければ治療用量で試す
- ⚠二次性を除外しない — 非典型例は MRI で下垂体病変等を除外
- ⚠NSAID 長期投与のリスクを軽視する — PPI・腎機能/血圧のモニタリング
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出典: ICHD-3 3.2 発作性片側頭痛. / 頭痛の診療ガイドライン 2021(日本頭痛学会).