可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)✓ 監修済み
発症様式: 突発。雷鳴頭痛(1 分以内にピークに達する激痛)が数日〜3 週間にわたり反復する。産褥・血管作動薬・性行為・いきみ・熱い入浴・運動が誘因。30〜50 代女性にやや多い。
概要
突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)を 1〜3 週間にわたり反復し、脳主幹動脈に分節性・多発性の可逆性血管攣縮(string of beads)を認める症候群。血管攣縮は 3 ヶ月以内に自然に改善するのが特徴。30〜50 代女性にやや多く、産褥、血管作動薬(トリプタン・SSRI/SNRI・交感神経刺激薬・大麻等)、性行為・いきみ・入浴・運動が誘因になる。合併症として皮質(円蓋部)に限局したくも膜下出血・脳梗塞・脳出血・可逆性後頭葉白質脳症(PRES)を伴う。治療は誘因の除去とカルシウム拮抗薬(日本ではニモジピンが使えずベラパミル・ロメリジン等)で、ステロイドは転帰を悪化させるため原則使用しない。動脈瘤性くも膜下出血・脳血管炎との鑑別が重要。
代表症候
Clinical Pearls
- 💡反復する雷鳴頭痛+誘因(産褥・血管作動薬)を見たら RCVS を疑う
- 💡初回は必ずくも膜下出血を除外。初回の血管造影が正常でも再検する
- 💡ステロイドは避ける(悪化)。Ca 拮抗薬は日本ではニモジピン不可でベラパミル・ロメリジン
- 💡誘因薬(トリプタン・SSRI・交感神経刺激薬・大麻)を中止する
- 💡血管攣縮は 3 ヶ月以内に可逆性に改善する(血管炎との区別)
症候学
1 分以内にピークに達する激烈な頭痛を、1〜3 週間にわたり繰り返す。誘因に関連することが多い
脳梗塞・脳出血・皮質限局くも膜下出血・PRES による局所症状・けいれん・視覚障害
血管作動薬・産褥・性行為・いきみ・熱い入浴・運動
ピットフォール
- ⚠くも膜下出血・動脈瘤を除外しない — 初回の雷鳴頭痛では必ず除外する
- ⚠ステロイドを投与する — RCVS は悪化しうる。血管炎と誤らない(3 ヶ月で改善・髄液正常で区別)
- ⚠初回の血管造影が正常だから否定する — 早期は攣縮が捉えられない。再検・経過で診断
- ⚠誘因薬を続ける — トリプタン・SSRI/SNRI・交感神経刺激薬・大麻等を中止する
出典: Calabrese LH et al. Narrative review: reversible cerebral vasoconstriction syndromes. Ann Intern Med 2007;146:34-44. / Ducros A. Reversible cerebral vasoconstriction syndrome. Lancet Neurol 2012;11:906-917. / 頭痛の診療ガイドライン 2021(日本頭痛学会). / ICHD-3 6.7.3.