脳血管障害

くも膜下出血✓ 監修済み

発症様式: 超急性(数秒でピークに達する)。「突然バットで殴られたような頭痛」と表現されることが多い。労作・いきみ・性交時に発症することがある。

概要

くも膜下腔への出血であり、脳動脈瘤破裂が原因の約85%を占める。突然発症の激しい頭痛(thunderclap headache)が特徴で、見逃しは致命的となる。初回出血後の再破裂が予後を大きく左右するため、早期診断と脳神経外科的介入が不可欠である。

代表症候

突然発症の激しい頭痛(「今まで経験したことのない最悪の頭痛」)項部硬直、Kernig徴候などの髄膜刺激徴候意識障害を伴うことが多い脳動脈瘤破裂が約85%再破裂予防のための早期外科的介入が必要

Clinical Pearls

  • 💡Thunderclap headache = SAHを否定するまでSAH。「片頭痛だと思った」が最も危険な誤診
  • 💡CT陰性でも疑いが強ければ腰椎穿刺。キサントクロミーは発症12時間以降に信頼性が高い
  • 💡再破裂は発症後24時間以内が最もリスク高い。診断確定後は安静・降圧・早期外科介入

症候学

突然発症の激しい頭痛

数秒以内にピークに達する。これまでの人生で最悪の頭痛と表現される。

臨床的意義: Thunderclap headacheは最優先でSAHを除外する必要がある。
嘔吐

頭痛発症直後に出現することが多い。

臨床的意義: 頭蓋内圧亢進と髄膜刺激を反映する。
項部硬直

発症から数時間後に出現する。初診時には陰性のこともある。

臨床的意義: くも膜下腔の血液による髄膜刺激。発症直後は陰性の場合がある点に注意。
意識障害

軽度の傾眠から昏睡まで。約半数で認める。

臨床的意義: 出血量・頭蓋内圧亢進・急性水頭症を反映。Hunt-Hess分類で重症度を評価。
一過性意識消失

発症時に失神する症例がある。

臨床的意義: 頭蓋内圧の急上昇による一過性脳灌流低下。心原性失神と誤診されることがある。

ピットフォール

  • 「片頭痛の発作」と誤診されることがある — 突然発症(秒単位でピーク)は片頭痛では通常ない
  • 発症後6時間以降はCTの感度が低下する — CT陰性でも疑いが強ければ腰椎穿刺を
  • 「sentinel headache(警告頭痛)」を見逃さない — 本格的破裂の数日〜数週前に軽い頭痛がある場合がある
  • 項部硬直は発症直後には出現しないことがある — 髄膜刺激徴候陰性でもSAHは否定できない
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出典: Connolly ES Jr, et al. Guidelines for the management of aneurysmal subarachnoid hemorrhage. Stroke. 2012;43(6):1711-1737. / van Gijn J, et al. Subarachnoid haemorrhage. Lancet. 2007;369(9558):306-318. / Hoh BL, et al. 2023 Guideline for the Management of Patients With Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage. Stroke. 2023;54(7):e314-e370.