頭痛

緊張型頭痛✓ 監修済み

発症様式: 反復性・慢性。10代〜30代発症が多く、男女差は少ない(やや女性に多い)。ストレス・睡眠不足・PC作業・姿勢不良などが誘因。慢性化すると毎日のように頭痛が持続する。

概要

最も頻度の高い一次性頭痛(tension-type headache: TTH)。両側性の締め付ける/圧迫されるような非拍動性頭痛で、軽度〜中等度。日常動作で増悪しない。光・音過敏は軽度または欠如、悪心は典型的にない。ストレス・姿勢・睡眠不足が誘因。生涯有病率は約30-78%と研究により幅があり(Stovner et al. 2007 Cephalalgia 等の疫学レビュー)、一次性頭痛の中では最も多い。月15日未満を反復性、月15日以上を慢性緊張型頭痛と分類する。

代表症候

両側性の締め付け/圧迫感(非拍動性)軽度〜中等度の強さ(仕事は継続可能)日常動作(歩行・階段昇降)で増悪しない悪心・光過敏・音過敏は基本的になし(あっても軽度)反復性(月15日未満)と慢性型(月15日以上)頭頸部筋の圧痛・緊張を伴うことが多いストレス・睡眠不足・姿勢が誘因

Clinical Pearls

  • 💡緊張型頭痛は最多の一次性頭痛だが、軽症のため受診率は低い
  • 💡「両側性+締め付け感+日常動作で増悪しない+悪心なし」が典型的
  • 💡慢性化したらMOHを必ず鑑別 — 鎮痛薬使用日数を聞く
  • 💡非薬物療法(認知行動療法・鍼治療・運動療法)はGL推奨でエビデンスあり
  • 💡予防のアミトリプチリンは頭痛診療GL2021推奨グレードAだが、日本では緊張型頭痛適応はなく適応外

症候学

両側性頭痛

前頭部〜側頭部〜後頭部にかけて両側性に出現。「鉢巻きを締められたような」「重い帽子をかぶったような」と表現される。

臨床的意義: 片頭痛との重要な鑑別点。約40%の片頭痛も両側性を呈するため、片側性≠片頭痛、両側性≠緊張型である点に注意。
締め付け感・圧迫感

非拍動性。鈍痛が持続する。

臨床的意義: 拍動性(ズキンズキン)の片頭痛と対比される。
日常動作で増悪しない

歩行・階段昇降で頭痛が変化しない。

臨床的意義: 片頭痛との重要な鑑別点。ICHD-3診断基準にも組み込まれている。
頭頸部筋の圧痛

前頭筋・側頭筋・後頭筋・僧帽筋・胸鎖乳突筋などの圧痛・緊張。

臨床的意義: 緊張型頭痛の病態の中心(頭蓋周囲筋の感作)。診察で必ず確認する。
悪心・感覚過敏の欠如

悪心・嘔吐は基本的にない。光過敏または音過敏のいずれか一方が軽度に出現することがある。

臨床的意義: 片頭痛との鑑別点(片頭痛は悪心+光音過敏が典型)。

ピットフォール

  • 「両側性=緊張型」と決めつけない — 片頭痛の約40%も両側性
  • 「軽度〜中等度」が緊張型の条件。重度の頭痛は緊張型ではない(片頭痛・群発・SAHを疑う)
  • 50歳以降の初発緊張型は二次性除外を慎重に
  • 慢性緊張型頭痛は薬物使用過多頭痛(MOH)に移行しやすい — 鎮痛薬使用日数を必ず確認
  • 抑うつ・不安・睡眠障害の合併が多い — 心理面の評価を忘れない
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出典: Bendtsen L, Jensen R. Tension-type headache. Neurol Clin. 2009;27(2):525-535. / Headache Classification Committee of the International Headache Society. The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018;38(1):1-211. / 日本頭痛学会 頭痛の診療ガイドライン2021. / Stovner LJ, et al. The global burden of headache: a documentation of headache prevalence and disability worldwide. Cephalalgia. 2007;27(3):193-210. / Linde K, et al. Acupuncture for the prevention of tension-type headache. Cochrane Database Syst Rev. 2016;(4):CD007587.